寄り添うということ。
目に眩しいくらいの青空が広がった冬の一日の今日。
こんにちは。海外生活お困りごと110番の佐々木ゆうかです。
私は、この20年ほどいろいろな企業でコンサルタントをしています。コンサルにも様々な専門分野と形態がありますが、限られた期間と予算の中でクライアントが望む結果以上のものをどこまで提供できるかが共通した最大の課題です。
そのためには、クライアントがなにをどのような理由で必要としているのかを、それこそ1から100まで徹底的に知る必要があります。その上で知識、ツール、ネットワークを総動員し、クライアントに喜んでもらえるサービスや製品を提供するのです。早い段階でこのコミュニケーションがしっかりできていないと、当然のごとく結果に不具合が生じます。
前回お知らせした交通事故で突然亡くなった友人の夫で、私たち夫婦の20年来の親友であるトミーがもろもろの理由から現在私たちと一緒に暮らしています。再婚してすぐに妻を失った悲しみと苦しみは相当なものであるはずなのに、私たちを心配させまいと気丈に振舞い、迷惑をかけまいと遠慮する。そして、その姿を見るのが辛い。
「自分のうちだと思ってくつろいでね。」
「冷蔵庫の中にあるもの、勝手になんでも食べていいからね。」
「買い物に行くけど、何か必要なものある?」
ありがとう、とはいうけれど、決して冷蔵庫は開けず、必要なものはないと言い、2階にあるリビングにも来ません。
あなたは私達にとって家族なんだよ、ひとりで全てを抱え込まなくてもいいんだよ、私たちはここにいるよ、と言う思いに駆られた私はなるべく彼が1人にならないように配慮し、ご飯を作り、2階のリビングに来やすいように階段の電気をつけたままにし、彼のその日の状況を逐一主人に報告しました。
そんな私に主人は、言いました。
Tommy is not your project.
彼はお前のプロジェクトではない。立派な大人であり、妻を失った苦しみに自分の力で立ち向かっている。自分たちがいる2階にこないのは遠慮からではない、思いやりからだ。親友が一番望んでいることを知ることもなく、自分の思い込みでやりすぎてはいけない。
主人の言葉を聞いて、私はまだまだだな、と思いました。親友としても、コンサルタントとしても。
*****自己紹介****
佐々木 ゆうか
1984年よりアメリカ合衆国在住。製造、オペレーション、ロジスティクス、財務、マーケティング、営業、人事、マスターデータ、顧客管理、コーチング&トレーニングなど多岐にわたる分野で日本と米国の民間及び政府の両セクターでコンサルタント業務にあたる。
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